公共訴訟
って何?
なぜ寄付が
必要?
どうやって
関われる?

公共訴訟って何ですか?

どうして
同性のカップルは
結婚できないの?
なぜ
国の収容所で
非正規滞在者は
亡くなったの?
海外在住の日本人だけ
裁判官の投票審査が
できないって
おかしくない?
公共訴訟は、身の回りで起きている“おかしなこと”を
なくすために行われている裁判です
おかしいと思う社会課題に対して私たちができるアクションは、選挙を通じた意思表明、署名やSNS等を通じて働きかけるなど、さまざまあります。でも、国や自治体が必ずしも動くとは限らない面も。
公共訴訟の場合は、たとえ少数者の声だとしても、それが憲法や法律に反していたら、司法の力をもって、国や自治体に変えることを命じられるのが大きな特徴です。

公共訴訟を動画で解説

これまでに社会を変えた公共訴訟の代表例
公共訴訟を通して日本社会が動いた例は数多くあります。違憲判決を得て、社会が良い方向へ変わった代表例を、CALL4掲載ケースから2つご紹介します。
「海外でも国民審査を」訴訟
国民審査法は、海外に住む日本人が裁判官の国民審査権を行使する方法(最高裁判事がその職責にふさわしいかどうか、国民が直接審査する制度)を設けていませんでした。それにより、海外駐在者や留学生など海外居住者は同じ日本人であるのに、長い間、在外選挙はできても、国民審査への投票は認められていませんでした。
原告が国に対し、訴訟を提起 在外日本人に国民審査権が認められないのはおかしいとして、原告が国に提訴しました。
最高裁判所が違憲判決 最高裁は、憲法は国民の権利として審査権を保障しているとして、国の訴えを退け、原告側が画期的な勝訴を獲得。史上11件目の法令違憲判決となりました。
法改正が公布 「最高裁判所裁判官国民審査法の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立し、この法律改正が公布されました。
国民審査法の改正が施行 法改正により、海外在住の日本人も日本の選挙への投票が可能になりました。
海外に住む日本人に投票機会が与えられ、すべての国民が投票権をもつ国民審査が実現しました。
〉訴訟について詳しくはこちら
優生保護法に奪われた人生を取り戻す裁判
1948年に制定された「優生保護法」により、約50年もの間、日本では遺伝性の障害や病気、知的障害や精神障害があるとされた人について、本人の同意がなくとも強制不妊手術を行うことができました。約2万5千人が被害を受けたとされています。
原告が国に対し、訴訟を提起 強制不妊手術の被害者が立ち上がり、国に謝罪と国家賠償を求めて仙台地裁で提訴。その後も全国で提訴が続きました。
一時金支給法が成立 判決を待たず、被害者へ一時金を支給する法律が、一部国会議員の働きかけにより成立。しかし国の責任は曖昧なままで、支給額も一律320万円とあまりに少ない金額でした。
仙台地裁が初の判決で違憲判断、請求は棄却 仙台地裁を皮切りに、一審では旧優生保護法の違憲性は認められるものの、被害から20年以上が経過しているため「除斥期間」が適用され、賠償請求の棄却が相次ぎました。
大阪高裁が、国に初の賠償命令を下す 優生手術の被害は国が立法した違憲な法律による重大な人権侵害であり、除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく正義に反するとして、大阪高裁が原告の請求を認める初の判決。その後、二審では勝訴が続くも、国はいずれも賠償命令を不服として上告しました。
最高裁判所が違憲判決、国に賠償を命じる 最高裁判所が、旧優生保護法の規定を憲法違反と判断。国の除斥期間の主張は「権利の濫用として許されない」として、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。
国が謝罪・法律の公布 当時の首相が、原告団と面会し、国の責任を認めたうえで謝罪を行いました。また、「旧優生保護法補償金等支給法」が国会で成立、公布されました。
補償金の支給に関する法律ができる 優生手術を受けた本人には1500万円の補償金など、被害者へ補償金等を支給する制度が新設されました。
国が公式に謝罪を行い、補償の制度を新設。被害者の尊厳の回復が、裁判を通して実現されました。
〉訴訟について詳しくはこちら

公共訴訟の現状と
ハードル

原告は、社会の「おかしい」を正すため、負担を抱えつつ、たたかっています。
国や行政を相手に訴訟を起こすには、原告にさまざまな負担がかかります。最高裁まで長期にたたかうために、時間もお金も弁護士の確保も必要です。また、時には無関心だけでなく、批判やバッシングにも耐えなくてはならない現状があります。
公共訴訟原告へアンケート〈複数回答〉
公共訴訟の原告として
負担に感じることは?
時間的負担
「控訴、上告と進むことが予想され、その負担を引き受けることが負担です」
「裁判の準備書面など内容を理解したりするのにもとても時間がかかります」
精神的負担
「原告として訴えることに、世間からの批判が気になる」「社会的な注目を集め、逆にその他のことでも清廉潔白でいなければいけないのではないかといったプレッシャーがある」
費用的負担
「訴訟費用がかかりすぎる」「印紙代をもう少し安くしてほしい」「弁護士に適正な報酬を支払いたい」「情報発信が十分できなかった」
2020年5月、2025年9月・CALL4掲載者にアンケートを実施 / 回答者 各10名
訴訟には「時間」「お金」「弁護士」の確保が欠かせません。
公共訴訟は最高裁判所まで進むケースが多く、決着までの期間は長期に渡ります。また勝つためには専門家の意見書などの準備は欠かせず、そこには費用もかかります。また、それらの活動を代理で引き受ける弁護士も少ないのが現状です。
裁判期間
短くて3年、長くて10年以上
国や行政が相手となる公共訴訟は、控訴や上告により三度の審議を受けることが一般的です。
「海外でも国民審査を」訴訟
提訴
2018年4月12日
一審(東京地裁)
2019年5月28日
二審(東京高裁)
2020年6月25日
三審(最高裁)
2022年5月25日
裁判期間
4年間
カメルーン人男性死亡事件国賠訴訟
提訴
2017年9月26日
一審(水戸地裁)
2022年9月16日
二審(東京高裁)
2024年5月16日
三審(最高裁)
2025年2月26日
裁判期間
7年間
裁判費用
通常100万円~
弁護士費用の他、裁判を争うためには必要な専門家の意見書や鑑定、事実調査などにお金がかかります。また、裁判は長期に渡るため、交通費やコピー代などもかさんでいきます。
弁護士費用
一審着手金
1人当たり
30万円~100万円
控訴審着手金
1人当たり
20万円~50万円
上告審着手金
1人当たり
10万円~50万円
専門家の意見書謝礼
※専門家自身の行う実験経費等含む
1通5万円~100万円
事案解明のため行う
実験・鑑定費用

1回20万円~
裁判に必要な
事実調査費用

人件費として10万円~
交通費・印紙等の実費
交通費
3万円~
印紙代
原告1人あたり1.6万円~
印刷費・コピー代
審級ごとに
1万円~
※多いもので数十万円~
※上記金額は、作業量を考えた場合に通常要する平均的な金額です。
実際には原告が費用を捻出できず、弁護士や専門家への費用は上記のように支払われていないのが現状です。
請け負う弁護士
全弁護士の1割未満
そもそも公共訴訟の件数が少なく、経験者は限られています。そして、高い専門性が求められるに関わらず、通常は数百万円程度の弁護士費用が発生するような労力の作業が、ほぼ無償で行われている現状があります。原告への寄付は、ボランティアで活動する弁護士の力にもなっています。
弁護士白書(2024)によると、
民事事件:年間およそ140,000件
行政事件:年間およそ2,000件
この行政事件の一部が公共訴訟に該当します。
公共訴訟はそもそも
件数が少なく、
経験者や専門家も少ないです
日本弁護士会運営「ひまわりリサーチ」によると、
22,000人近くの弁護士が開所する東京都で
「行政紛争(住民側)」検索表示弁護士数:24人
(2026年1月時点)
公共訴訟を
請け負う弁護士は
ごくわずかです

公共訴訟を支援しよう!

まずは一人ひとりが関心を持つことから始まります。
知り合いにシェアしたり話したり、社会に発信することから関わりは始まります。他にも、寄付をしたり、知識を提供したり、裁判を傍聴したり。私たちが声をあげた原告に連帯することで、原告を孤独にせずに、「個人」ではなく「みんな」の訴えにすることができます。
公共訴訟を支援する方法いろいろ
周囲の人と会話したり、
情報をSNSでシェアする
一人でも多くの人にケースを知ってもらい、共感者の数を増やすことも大切な支援です。
寄付をする
費用が足りずに勝つために必要な調査をやりきれないケースも多いのが現状。資金があればできることの幅が大きく広がります。
知識やスキルで応援する
訴訟に関わるリサーチや、同様の海外先行事例のリサーチなどは、裁判をたたかう上で欠かせません。専門分野の知識の提供もまた支援の一つです。
裁判の傍聴をする
裁判には一般の人も傍聴に参加することができます。法廷で多くの支援者が見守ってくれることは原告にとって大変心強いことです。
私たちも支援しています
フォトジャーナリスト・
D4P副代表理事
安田菜津紀 さん
カメルーン人男性の死亡事件を担当する弁護士、児玉晃一さんの記事をCALL4で読んだことが寄付のきっかけでした。私自身は裁判や法律の専門家としてこの事件の力になることはできません。けれども今、裁判に向き合っている弁護士さんや当事者のご遺族、またご遺族を支えている方々を、寄付で支えることはできます。大切なのはこうしてそれぞれが、できる役割を持ち寄ることではないでしょうか。
漫画家
渡辺ペコ さん
「公共訴訟」という言葉、知っていますか?私はネットで知りました。例えばときどき耳にする「同性婚訴訟」や「入管の暴行問題」、大変そうだし辛い人がいるのは知っているけれど自分にはどうしようもないし、とニュースとして流してしまう人も多いと思います。CALL4さんのサイトでは、現在進行中の様々な訴訟ケースを知ることができます。のぞいてみて、興味のある原告や制度を調べて考えて支援してみませんか。そうやって少しずつ制度や社会を自分の思ういい方向に変えていけたら最高だなと思います。

支援は現場でこんな風に
役立っています

応援メッセージや寄付などは、原告がたたかう上の大きな支えです。
公共訴訟をたたかう長い期間、金銭的にも精神的にも、原告や弁護団の支えになっているのは、共感して連帯してくれる支援者一人ひとりのアクションです!
「立候補年齢引き下げ訴訟」の場合
原告
久保 遼 さん
私が19歳で原告となったこの訴訟も2年半が経ちましたが、これまでに何度も、公共訴訟を始めてよかったと感じてきました。政治家と話すと「社会的なメリット」を求められる一方で、公共訴訟では「権利」に基づいた議論ができる。 立候補の権利は、社会に認めてもらうものではなく、私たちが本来持っているものだと、励まされました。また、地方に住む私が期日に金銭的負担なく参加し、裁判官に思いを直接伝えられているのは、CALL4と、支援してくださる方々のおかげです。 公共訴訟の持つ、社会を変える大きな力を感じています。
「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」の場合
九州訴訟弁護団共同代表
森 あい さん
提訴以来、「結婚の自由をすべての人に」訴訟は、CALL4とともに歩みを重ねてきました。 CALL4によって、判決はもちろん、判決に至るまでの原告と国双方の主張に触れていただくこともでき、また、寄付くださった方からの声も知ることができます。 他の事件記録(特になかなか実情に触れることが難しい最高裁段階のもの)からの学びも多く、今やCALL4はなくてはなりません。少数者にとって司法は最後の希望。CALL4のおかげで鮮やかに見えるようになったその希望を、最高裁判決がさらに鮮やかに示せることを願っています。
大川原化工機事件 ~無実で約1年勾留「人質司法」問題をただす~ の場合
訴訟代理人
髙田 剛 さん
大川原化工機冤罪国賠訴訟では、提訴直後からCALL4で証拠や期日報告を公開し、社会に “見える裁判” を実現できました。 ご支援や応援の声は長い闘いを続ける原告・弁護団の大きな力に。さらに、他のSNSと連携し訴訟の状況を発信したことで、報道各社が事件を深掘りし、一般の方々の理解も広がりました。公共訴訟が市民とともに歩む仕組みとして、CALL4の価値を実感しています。心から感謝します。

海外では公共訴訟は
もっと身近です

海外では、司法を通じて社会を変えるアクティビズムは実は一般的!
アメリカは特に公共訴訟の担い手を支える寄付が充実していて、訴訟を通して社会を良くしていくインフラが整っています。また、同じアジアでは、台湾で変化の動きが進んでいます。
「同性婚訴訟」の場合
今、日本では同性婚の合法化を求めて、全国で訴訟が行われていますが、世界では同性同士の婚姻を認める動きが進んでいます。決して簡単な道のりではありませんが、一人一人の支援の力が集まれば、きっと日本も同様に変わっていくことができるはずです。
アメリカ
同性婚を認める州と認めない州が混在州ごとに法律が異なっていました
「婚姻は男女に限る」と法律に定めていた4州に住む原告たちがそれぞれの州に対し、訴訟を提起
アメリカ全州で同性婚が認められました!
共感した市民からの寄付
2015年までの間に集まった、多くの人たちからの約60億円もの寄付や助成金が活動資金になりました。
教育やメディアを通した意識変革
各地でLGBTに関する学びの場を設けて啓蒙。サイトやSNSでは同性婚のストーリーを配信。TVやラジオ等のメディア掲載も毎日行われる中で、人々の意識は徐々に変わっていきます。結果、アメリカ国内で同性婚を認める人の割合は、1988年の23%から、2015年には63%まで伸びました。
※資料参照
財団の強力なバックアップ
個人や法人からの寄付を運用・配布する財団が約2.5億円を助成し、支援団体『FreedomtoMarry』を設立。いくつかの財団が連携し運動を支援しました。
ポジティブな活動指針の策定
全国のLGBTQリーダーが集結して活動指針を策定。主張の焦点を同性愛者の「権利」から「愛」へシフトしたことで、市民の共感の波を生みました。
台湾
同性愛者の婚姻を認める法律がありませんでした
LGBT運動を牽引してきた運動家が台北市等と共に、司法院大法官会議に合憲性つき憲法解釈の申立て
国民投票により同性婚が認められました!(アジア初)
市民の人権意識の高まり
80年代の民主化運動の流れから国民の人権意識が高く、早くからLGBTの運動も注目されました。2003年台北でLGBTパレード開始。現在、アジア最大規模にまで成長しています。
活動の中心となったリーダーの
存在
社会活動家の祁家威(き・かい)氏が過去提出された26件の同性婚法案中、13件を提出。同性愛相談ホットラインや街頭パフォーマンスなど熱心な活動を行い、周囲を巻き込みました。
市民の寄付による教育&
メディア発信
台湾最大のLGBT支援団体が、2019年の1年間で約1万人にLGBTやジェンダーに関するレクチャーを実施。またウェブサイトは年間約84万view、Facebookのフォロワーは5万人以上とメディア発信も盛んに行われました。なお、団体の活動資金の99%は寄付収入によるものです。
公共訴訟を通して、私たちの力で、
社会は良く変えることができます。
あなたも一歩踏み出して、
支援を始めてみませんか?