ネパール人取調べ中死亡国賠訴訟事件 A compensation lawsuit against the Japanese government because of an illegal interrogation of a public prosecutor.

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 両手に手錠をはめられたまま始められた検事の取調べ中、片方の手錠が外されるや突然白目をむいて意識不明となり不審な死を遂げたネパール国籍の男性の遺族が、身体拘束及びその解除の方法が不適切であったために男性が死亡したとして国家賠償請求を提起した事件です。 During the interrogation, which was started with handcuffs on both hands, the bereaved family of a Nepalese man who died suspiciously.

事件の概要

2017年3月15日、両手に手錠をはめられたまま始められた検事の取調べ中、片方の手錠が外されるや突然白目をむいて意識不明となり不審な死を遂げたネパール国籍の男性の遺族が、2018年7月27日、身体拘束及びその解除の方法が不適切であったために男性が死亡したとして国家賠償請求を提起しました。


ネパール人男性(39歳)は2017年3月13日、拾った他人名義のクレジットカードを所持していたとして逮捕されました。警察の説明では、3月15日早朝6:30に布団を自分でしまうという留置所のルールに従わないことを留置係が注意したところ留置所内で暴れたため、職員により制圧され、ベルト手錠、捕縄により両手首、腰、両膝、両足首を締め付けられ、「保護室」に入れられました。


その後、護送手錠、捕縄による身体拘束を受けたまま車椅子に乗せられ検事取調べのため検察庁に移送され、車椅子に乗って両手に手錠をはめられたまま検事の取調べが行われました。取調べの途中、検事の指示で片手の手錠が外されると、アルジュンさんは突然白目をむいて意識不明となり、搬送先の病院で急死するという事件が発生しました。事件を知った遺族、支援者から依頼を受けた弁護団と法医学者は、不審な死の真相を解明すべく調査を開始しました。


2018年3月9日に警察は弁護団に対して、次のように説明しています。「司法解剖を踏まえた、アルジュンさんの死因は外力作用による、多発性外傷である。 警察は警察署内での殺人被疑事件として、2018年2月24日、被疑者不詳のまま、検察に事件送致した。」その後、送致をうけた検察は、3月14日に不起訴処分としました。


アルジュンさんの遺族からの要望により弁護団と法医学者が調査した結果、アルジュンさんの突然死には警察・検察による関与が強く疑われることとなり、この度、国家賠償訴訟の提訴と刑事告訴を行うこととなりました。裁判を通じて、事件の真相が明らかになることを遺族は望んでいます。2018年7月27日に被告国と東京都に対し、国家賠償請求訴訟を提起しました。



アルジュンさんとネパールと日本

アルジュンさんが日本に始めてきたのは2011年頃。インド・ネパールカレー料理店のシェフとして、在留資格「技能」で入国し、各地のレストランで働いていました。2016年4月に一時ネパールに帰国し、同年11月に再来日します。12月から翌年1月にかけては埼玉のレストランで働いていました。しかし2017年2月にその店を解雇され、仕事を求めて放浪が始まります。仕事を見つけることができず、逮捕される直前は新宿、大久保の町をさまよっていたと伝えられています。実際大久保のあるネパール料理店では、よくアルジュンさんが食事に来ていたと証言しています。


その後仕事を見つけられなかったとみられ、警察の説明では逮捕時に所持していたのは22円と手帳だけという状態でした。


アルジュンさん来日の背景には、日本の昔ながらの外食産業の衰退が関係しています。日本にファミリーレストランや、ファーストフードが登場したのは1970年代と言われています。安価な食事を提供する流れになりますが、当然のことながら、それまで各街にあった、「店屋物」を提供する店や、「昔ながらの中華料理屋」の経営は圧迫され、次第に姿を消していきます。これにより日本の各地にインド人経営者のインド料理店や、中国人の経営者による中華料理店のビジネスチャンスが生じたと思われます。はじめはインド人の経営するインド料理店の労働者として雇用されていたネパール人ですが、その後ネパール人経営者も多く現れ、そこで働く労働者は在留資格「技能」で在留を認められたネパール人達です。本件アルジュンさんの事件が起きた2017年頃は、地域によっては供給過剰となり、閉店に追い込まれ、職を失うことも起きていました。


アルジュンさんの事件には、こうした日本社会の背景事情がありました。


資金(寄付金)の使途

・訴訟費用(弁護士報酬、印紙・郵券等の訴訟提起に不可欠の実費)

・必要経費(交通費・会議費等)

・調査費用(現地調査、資料収集のための諸費用、翻訳費用等)

・遺族の日本への招聘費用(渡航費、宿泊にかかる費用)

・研究者の意見書費用

・広報費用

      Arjun, a 39-year-old Nepalese man, was arrested on March 13, 2017, for having a credit card with someone else’s name on it. According to the police, he was confined to an “observation cell” at 6:30 on March 15, because he had violated prison rules about bedmaking and had resisted against prison officers. They suppressed Arjun by using belt handcuffs and arresting ropes, tightening his wrists, waist, knees, and ankles. 

      With handcuffed, tied up, and forced to be seated in a wheelchair, he was transferred to a public prosecutor’s office for further investigation. When an interrogation started, Arjun was still being strapped into a wheelchair without the removal of handcuffs. In the middle of the interrogation, the prosecutor ordered a police officer to unlock one of his handcuffs. As soon as the officer executed the order, Arjun’s eyes were suddenly rolled back. He soon became unconscious and died at the hospital.  

      His bereaved families, lawyers representing them, and forensic doctors started an investigation to find the truth of the suspicious death of Arjun during the interrogation.


      On March 9, 2018, the police explained to the lawyers as follows: “Based on the judicial autopsy, it became clear that the cause of Arjun’s death was multiple injuries due to external forces. The police recognize this incident as a homicide that happened inside a police organization, and already sent the case to a public prosecutor’s office on February 24, 2018, stating that the suspect is unknown.” On March 14, 2018, however, the prosecutor made a decision not to prosecute this case.


      In response to receiving a request from Arjun’s family, the lawyers and the forensic doctors conducted a further investigation regarding Arjun’s suspicious death. As a result, it was found that the police and the public prosecutor were strongly suspected to be involved in Arjun’s sudden death. Therefore, his bereaved families have decided to file a lawsuit for compensation as well as to bring the criminal complaint against the Japanese government. Arjun’s families sincerely hope that the trials will reveal the truth of the incident.

      On July 27, 2018, the lawyers started a lawsuit for compensation against the Japanese government and the Tokyo Metropolitan Government, which represents the prosecutor and the Metropolitan Police Department, respectively.



川上資人・小川隆太郎

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