「人種差別を許さない」訴訟 ~警察官による母子の不当聴取と個人情報の漏洩~ Litigation Against Racism ~ Police Wrongful Questioning and Disclosure of Personal Information of Mother and Child
外国人女性と3歳の娘は、「国へ帰れ」等と人種差別的言動をする男性から不実の通報をされました。母子は警察署で男性の言い分を認めるよう数時間迫られた上、住所等の個人情報を承諾なく男性に開示されています。
警察官による人種差別行為をなくし、誰でも安心して暮らせる社会の実現のために裁判をします。
A foreigner and her daughter encountered racist assault from a Japanese man, but the police wrongfully questioned them and released personal information without consent. So we started this litigation.
2022年1月25日:第二回口頭弁論期日(東京地方裁判所)
the 2nd oral argument
2022/1/26 17:04
2022年1月25日 午前10時10分 損害賠償等請求事件 第二回口頭弁論期日
東京地方裁判所民事第25部(裁判長:古田 孝夫)
――――――
いつもあたたかいご支援、ありがとうございます。
東京地裁で第二回口頭弁論期日が行われましたので、ご報告いたします。
期日では、以下のとおり、被告(都)側が準備書面⑴を陳述し、乙号証を提出いたしました。
前回の第一回口頭弁論で陳述された被告(都)の答弁書では、具体的な事実の認否や主張はなされませんでしたので、今回の準備書面で、被告の具体的な主張が出てきたことになります。
【被告側の主張について】
事実関係に関する被告の主張は以下のとおりです。
被告は、公園での男の差別的な言動は認める一方で、警察官による一連の行為(警察署への連行、事情聴取(原告娘を一人にしての事情聴取も含む。)、写真撮影、男への個人情報の提供)について、いずれも原告らの承諾をとっており問題がないと主張しております。
しかしながら、原告母娘には、これら一連の行為について承諾する理由は皆無です。
原告母娘が、警察署に行って事情聴取を受けることも、3歳の娘一人が事情聴取を受けることも、写真を撮られることも、自分たちに差別的な言動を繰り返す男に個人情報を伝えることも、お腹を空かせたまま警察署にとどまることも、いずれも任意で承諾したことはありません。
原告母娘は、長時間に渡って、自由に自分たちの意思を示したり、断ることができる状況ではなかったのですから、警察官の指示に応じたことがあったとしても、任意性など認められるはずがありません。
それは、任意の承諾とは決して言えません。
私たちは、警察官によるこれら一連の行為は、原告母が外国人であるが故に抵抗し難いことを認識して行われたものであり、悪質であると訴えております。
今回の被告の主張は、事件の日の警察官と同様、原告母娘の立場に全く配慮することなく承諾があったから問題ないというもので、警察官による一連の行為と同様に悪質だと考えます。
【提出書類】
原告側:無し
被告側:準備書面⑴、乙1〜6号証
以上、第二回口頭弁論期日のご報告です。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
TBA(To Be Announced)
2021年12月10日:第一回口頭弁論期日(東京地方裁判所)
the first oral argument
2022/1/14 16:16
2021年12月10日 午前11時 損害賠償等請求事件 第一回口頭弁論期日
東京地方裁判所民事第25部(裁判長:古田 孝夫)
――――――
いつもあたたかいご支援、ありがとうございます。
東京地裁で第一回口頭弁論期日が行われましたので、ご報告いたします。
期日では、以下のとおり、原告側が訴状を陳述し甲号証を提出、被告(都)側が答弁書を陳述いたしました。
被告(都)の答弁は、原告らの請求棄却を求め、具体的な事実の認否や主張は今後、準備書面を提出するという内容のものです。
また、原告ら代理人の西山弁護士から、特に本件訴訟で裁判官らに伝えたいことを以下の骨子のとおり意見陳述いたしました。
その後、被告(都)が、訴状に対する具体的な反論を次回までに行うことを確認し、次回の期日を指定して、第一回口頭弁論期日は終了いたしました。
【提出書類】
原告側:訴状、甲1~9
被告側:答弁書
【原告側意見陳述の骨子】
①本件警察官の一連の違法な事情聴取等が人種差別に基づくものであったこと
②本件警察官らの行為は、原告母が外国人であるが故に抵抗しがたいことを認識して行われた点で、より悪質であること
③本件警察官らの行為により、訴外男性による人種差別的言動が助長され、原告らに対する深刻な二次被害が発生していること
④原告からの手紙の朗読
詳細は、訴訟資料の【第一回】原告ら代理人意見陳述原稿をご確認ください。
以上、第一回口頭弁論期日のご報告です。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
TBA(To Be Announced)
Aさんは、自分だけのためではなく、日本に暮らす外国ルーツの誰もが安心して暮らせる社会が実現できるようにと、裁判をすることを決意しました。
私たちは、Aさんの決意に強く同意し、警察官による人種差別行為が許されないことを明らかにするために国家賠償訴訟を提起しています。
勇気あるAさんの裁判を、ご支援頂けましたら、幸いです。
【弁護団連絡先】
〒102-0083
東京都千代田区麹町2-12-1VORT半蔵門2階
インテグラル法律事務所
弁護士 西山温子
電話:03-3288-5216
We are the attorneys who represent A and her daughter in this police racial discrimination litigation.
We respect A’s braveness to speak out. We greatly appreciate your support.
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2022. 3. 14