結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟) The ”Freedom of Marriage for All” lawsuit

#ジェンダー・セクシュアリティ #Gender/Sexuality

現在の支援総額 Total amount of current support

6,059,082円 ¥ 6,059,082

121%

目標金額 Target amount

5,000,000円 ¥ 5,000,000

サポーター Supporter

838 人 838 supporters

支援する Support a Case

法律上の性別が同じ人どうしは、日本では結婚できません。
2019年2月14日、札幌、東京、名古屋、大阪の各地方裁判所で提訴、9月5日には福岡地裁でも提訴しました。
さらに、2021年3月26日、東京地裁で新たに提訴しました。
本ケースは、日本初の同性婚についての集団訴訟(「結婚の自由をすべての人に」訴訟)です。
法律上の性別にかかわらず結婚できることを目指しています。
A class-action lawsuit for the right to same sex marriage, the first of its kind in Japan.
We filed law suits in the district courts of Sapporo, Tokyo, Nagoya , Osaka and Fukuoka.

大阪・第11回口頭弁論期日(2021年12月27日)

Osaka, 11th oral argument date (December 27, 2021)

2021/12/27 17:01

関西弁護団からのお知らせです。


「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟第11回期日報告

日時:2021年12月27日13時30分から13時40分

場所:大阪地方裁判所第202号法廷

内容:

  1. 原告側から、主張が記載された書面3通(第15第16第17準備書面)が提出されました。
  2. 三輪弁護士から、原告側から提出された書面の内容を踏まえた意見陳述がなされました
  3. 被告側から、原告ら第14準備書面以下に対する反論をする意向が示されたため、裁判は続行となりました。
  4. 公開の裁判手続きの後、場所を移して、裁判官・原告代理人・被告代理人で今後の裁判の進行について非公開の協議を行いました。
  5. 今日はとても寒い一日でしたが、多くの方が傍聴に来てくださいました。メディア関係者の傍聴も多く、関心の高さがうかがえました。第一審の判決に近づいていますので、今後もますますのご支援をお願いします。

次回期日

20222211510分(第12回口頭弁論) 大阪地方裁判所第202号法廷

被告から法的な主張が記載された書面が提出される予定です。次回で結審となる可能性があります(判決の言渡しではありません)。なお、普段とは開始時刻が違うのでお間違えのないようご注意ください。

期日報告会

裁判終了後に、大阪弁護士会館で期日報告会を開催しました(司会は寺野弁護士)。

最初に三輪弁護士から、今日の裁判についての説明と、意見陳述の内容についての解説がありました。引き続いて、大畑弁護士からは進行協議期日のやり取りや今後のスケジュールについての説明がありました。

次に、原告ら第17準備書面を起案した山岸弁護士、宮本弁護士、佐藤弁護士から、原告側の主張の内容が詳しく説明されました。

原告からも裁判の感想や参加者に対するメッセージが述べられました。

川田さんからは、香川県三豊市で始まろうとしているファミリーシップ制度の紹介があり、同性婚が認められていたら子どもをもうけることを含めて色々な選択肢があったはずだと述べられ、同性婚の必要性を強調されました。田中さんからも三豊市のファミリーシップ制度の広報ポスターを作成したとの報告がありました。ぜひ皆様もご覧ください。

スティーガーさんからは、友人が最近同性婚がないことで困っているとのご報告があり、同性婚の実現に向けて早く前進してほしいと述べられました。坂田さんは、同性婚が実現しないまま亡くなっていった知人が何人もいると述べたうえで、裁判官が積極的な判断を示すことへの期待を語られました。

会場からは、弁護士会や地方自治体の取り組みが裁判に与える影響、国賠法上の違法判断の基準時に関するご質問や、コロナ禍で同性婚が後回しにされることが許されるのか、等のご質問をいただきました。回を重ねるごとに掘り下げられた質問が多く出されるようになり、弁護団としても大きな示唆をいただいています。

次回はいよいよ結審となる見込みです。結審となれば、その次の期日には判決言渡しとなります。裁判所が良い判決を出してくれることを期待したいと思います。

Sorry.


札幌・控訴審 第1回口頭弁論(2021年12月23日)

Sapporo Appeals Trial 1st oral argument (December 23, 2021)

2021/12/24 8:49

北海道弁護団からのお知らせです。


「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟 控訴審 第1回期日報告

日 時:2021年12月23日15時00分から15時45分

場 所:札幌高等裁判所第802号法廷

裁判官:大竹優子裁判長 守山修生裁判官 高木健司裁判官

内 容:

「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟の控訴審がスタートしました!

本日は、以下のようなことが行われました。


【口頭弁論期日】

1 控訴人(原告)らが提出した控訴状・控訴理由書第1準備書面第2準備書面の陳述と要旨の説明

 控訴人らは、今日の期日までに提出した書面を陳述した上で、弁護団の綱森史泰弁護士が、控訴理由書と第2準備書面の要旨を説明しました。


2 被控訴人(国)が提出した控訴答弁書の陳述

  被控訴人は、今日の期日までに提出した書面を陳述しました。


3 控訴人(原告)らが提出した証拠(甲A第403号証~486号証 証拠説明書)、被控訴人(国)が提出した証拠(乙21~23)の取調べ

  控訴人らと被控訴人がそれぞれ提出した証拠が取り調べられました(裁判所が、提出された証拠を採用するために必要な手続です。)。


4 控訴人(原告)らによる意見陳述

  控訴人であるりょうすけさんと控訴人番号3番さんが、裁判官に対し、異性カップルと変わらない生活を日々送っていること、第1審の違憲判決に勇気づけられたこと、控訴審の判決が同性愛者の生きる希望となるものとなることを期待していることなど、いま感じていることや裁判所への想いを語りました。


【進行協議期日】

 口頭弁論期日が終わった後、進行協議期日(裁判所と当事者のみが参加する非公開の手続で、今後のスケジュールや、主張・立証の予定などを確認するための期日です。)が行われました。

 進行協議期日では、裁判所から、控訴人らと被控訴人双方に対し、求釈明が行われ、控訴人らと被控訴人に主張や立証について宿題が出されました。

 今後は、裁判所から出された宿題も踏まえ、控訴人らと被控訴人が、さらなる主張や立証をしていくことになります。


【次回期日】

未定です。

次回期日については、今後、決定されます。

2022年3月に進行協議期日が行われる予定なので、その期日で、次回期日が決定するかもしれません。次回期日は、決まり次第お知らせいたします。


【期日報告会】 →オンライン報告会はこちら

口頭弁論期日と進行協議期日が終わった後、期日報告会を実施しました!

日時:2021年12月23日16時00分~17時00分

場所: 札幌市教育文化会館講堂

写真 報告会の様子 3人のスーツを着た人が座っている。はやしたくや弁護士がマイクを持って話している

内容:

1 口頭弁論期日の報告と解説

   弁護団の林拓哉弁護士が、控訴に至った経緯や本日の裁判までに出された書面の内容、本日行われた裁判の手続について説明をしました。

2 控訴人(原告)のトークコーナー

   原告のたかしさん、りょうすけさん、Eさん、Cさんが、控訴審に期待していることや日々感じていること、第1審の違憲判決を受けてから本日に至るまでの想いについて語りました。

 3 質問コーナー

   会場のみなさんに、控訴人ご本人、弁護団の弁護士に対し、たくさんのご質問をいただきました。ありがとうございました!


 北海道訴訟は、いよいよ控訴審がスタートしました。

弁護団は、改めて、同性愛者も、異性愛者と等しく、結婚したい人と結婚することを実現できるよう、精一杯活動していきます。

引き続き、皆さまの応援をよろしくお願い申し上げます!!

Sorry.

東京第二次・第3回口頭弁論(2021年12月16日)

Tokyo second lawsuit (December 16, 2021)

2021/12/20 13:00

東京弁護団からのお知らせです。


「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟(第2次)第3回口頭弁論期日報告

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟(第2次)(2021年3月26日提訴)の第3回口頭弁論期日が行われましたので、ご報告いたします。


日 時:2021年12月16日 10時00分から10時30分

場 所:東京地方裁判所103号法廷

裁判官:飛澤知行裁判長、金田健児裁判官、三塚祐太郎裁判官

(民事44部甲合議1A係)

出 席:原告7名 原告代理人19名  被告代理人3名

【第2回弁論期日の内容】

1.各書面提出

前回の期日から今回の期日の間に、原告らは、一橋さんの意見陳述要旨を提出し、被告は、被告第2準備書面証拠説明書⑴・乙1~27号証を提出しました。

2.本期日におけるやり取りの概要

前回期日から裁判体の構成に変更があったため、弁論の更新がされました。

続いて、被告から被告第2準備書面が陳述されました。また、原告らは、被告第2準備書面において、「同性愛者」という言葉が法律上の性別を基準に定義づけられていることの問題点を指摘し、次回進行協議期日で原告らの問題意識を口頭で共有するとともに、改めて書面でも申入れを行う予定であると述べました。

3.原告の意見陳述

本期日では原告の一橋さんから、トランスジェンダー男性として、直面している困難と、本訴訟で裁判所に求めることをお話ししていただきました

4.その他のやり取り/次回期日までの準備事項

裁判所は、原告らに対し、憲法13条の主張について、原告らは憲法24条1項の解釈根拠としてのみ主張しているという理解で良いのか、それとも憲法13条単体で違憲の根拠として主張しているのかを明確にしてほしいと述べました。

また、裁判所は、原告らに対し、憲法24条2項違反の主張について、判例の判断枠組みに沿う形での主張をするかも明確にしてほしいと述べました。

これらの点について、原告らは、検討の上、次回期日までに対応すると述べました。

5.今後の予定

裁判所から、今後の審理の進行予定として、以下の2つの期日が指定されました。

①2021年12月24日  進行協議期日(非公開の手続・傍聴不可)

②2022年3月24日 10時30分~ 第4回口頭弁論期日
場所:東京地方裁判所101号法廷(第3回口頭弁論期日が行われた103号法廷ではない
のでご注意下さい。) 

【オンライン期日報告会】

YouTubeにてオンライン期日報告会を実施し、生配信をしました(アーカイブあり)。

日 時:2021年12月16日 19時~

配信URL:'21.12.16 東京第二次訴訟 第3回期日報告会

登壇者:

原告:一橋さん、ケイさん、福田さん、藤井さん、山縣さん、小野さん(一次原告)、西川さん(一次原告)

原告代理人:寺原弁護士 油原弁護士 北條弁護士


Sorry.

お知らせ 大阪 第11回期日 現地報告会あり

Notice Osaka 11th oral argument

2021/12/17 14:13

関西弁護団からのお知らせです。


第9回口頭弁論期日

2021年12月27日(月)13時30分~

大阪地方裁判所2階202号法廷

(【注意】傍聴席が大幅に減らされています。(下記参照))


報告集会 12月27日(月)14時~

大阪弁護士会館10階 1001、1002号会議室


ご注意いただきたいこと※

1. 新型コロナ感染拡大防止のため、口頭弁論期日が開かれる法廷の傍聴席が大幅に減らされています。

 傍聴席は先着順です(抽選はありません)。

 傍聴席が満席で法廷に入ることができなかった皆さまには、報告集会の会場をご案内しますので、そちらでお待ちください。口頭弁論期日の終了後,原告と弁護団からご報告をさせていただきます。


2. 37℃以上の熱がある方、体調不良の方はご参加はご遠慮ください。また、法廷内、報告集会会場内でのマスク着用のご協力をお願いします。


 3. 大勢の方が傍聴に来られた場合、傍聴にも報告集会にも入れない方が生じる可能性がありますが,ご理解くださいますようお願いいたします。後ほど公式HPやTwitter等で裁判のご報告をいたしますので、そちらをご覧ください。 


Sorry.

東京・第二次訴訟(12月16日)のお知らせ 夜ライブ配信あり

NextTokyo Oral Argument

2021/12/11 14:33

東京・2次訴訟】第3回口頭弁論期日とオンライン報告会のお知らせ!

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟の、第2次訴訟の次回期日についてのお知らせです。


画像。結婚の自由をすべての人に訴訟、東京第二次訴訟・第二回期日前の入廷行動の様子。原告たちを先頭にして、東京地方裁判所前を歩く様子。


2021年3月26日に新たな8名の原告が提訴した東京第2次訴訟では、来たる12月16日に第3回の審理が行われます。

今回の期日では、トランスジェンダー(FTM)である原告の一橋さんの意見陳述が予定されています。自分の心が「男」だと気付いたときの将来の不安、手術をすれば戸籍上の性別を変更できるとしても手術を選択できない実情、本件訴訟を提起しなければならなかった理由、現在直面している困難や差別、訴訟にかける思いや社会に対する思いなどについて、法廷にてお話いただく予定です。

また当日の夜19時からは、期日報告会をオンラインで行います。

裁判の傍聴やオンライン報告会への参加、SNSでの発信など、皆さまの様々なカタチの応援が、私たちの力になります。引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

【第3回口頭弁論期日】

日  時:2021年12月16日(木) 10時00分~

場  所:東京地方裁判所103号法廷

事件番号:東京地方裁判所令和3年(ワ)第7645号

 傍聴券配布:あり

 ※当日朝、東京地方裁判所2番交付所にて傍聴の抽選券が配られます。9時40分までに来た人を対象に抽選が行われます。詳しくはこちらの裁判所HPでご確認ください。

【オンライン期日報告会】

当日19時から、YouTube配信にてオンライン期日報告会を行います!

原告や弁護団の弁護士が出演予定です。

ぜひご参加ください!(アーカイブスありの予定)

 参加視聴はこちらから⇒⇒⇒ 東京第二次訴訟 期日報告会

「結婚の自由をすべての人に」東京訴訟の最新情報は随時twitterで発信しております。

 ⇒東京弁護団のtwitterアカウント:http://twitter.com/KejisubeTokyo

<裁判の傍聴を希望される方へ>

  • 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、法廷の傍聴席数が通常より大幅に減らされています。
  • 当日は不織布マスクのご着用をお願いします。
  • 37℃以上の熱がある方や体調不良の方は来庁をご遠慮ください。
  • 残念ながら傍聴がかなわなかった方は、ぜひオンライン報告会やCALL4のケースサイトでのご報告をご覧ください。

 ご不便をおかけしますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご理解ご協力をお願いいたします。



Sorry

お知らせ 札幌・控訴審 第1回 現地報告会、報告配信ともにあり

Notice Sapporo Appeals Trial 1st

2021/12/3 14:24

 歴史的な札幌地裁違憲判決から9か月。「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟のステージは札幌高等裁判所に移りました。控訴審第1回口頭弁論期日では,控訴理由書の概要を陳述するほか,控訴人(原告)2名の意見陳述を予定しております。

 口頭弁論終了後は,札幌市教育文化会館において,裁判の解説を致します。傍聴券が当たらなかった方も,是非ご参加ください。

 夜はYouTubeで報告配信を行います。同性婚を題材にしたお芝居「ひびそい」のキャスト・飛世早哉香さんや,アウティングを題材にした「あいつゲイだって」の著者松岡宗嗣さんにもコメントをいただく予定です。

〇第1回口頭弁論期日

2021年12月23日(木)15:00~15:30ころまで

札幌地方裁判所(中央区大通西11丁目)8階・802号法廷

傍聴券配布の可能性あり


〇報告集会  

2021年12月23日(木)16:00~17:00ころ

教育文化会館4階講堂(中央区北1条西13丁目)

【内容】

  1. 林弁護士による裁判の説明
  2. 原告さんや傍聴者の感想等


〇報告配信  

2021年12月23日(木)18:30~19:30

YouTube https://www.youtube.com/watch?v=tMjMQGvm9EI

出演:原告さん,北海道弁護団

スペシャルゲスト:飛世早哉香さん,松岡宗嗣さん

結婚の自由をすべての人に北海道訴訟 控訴審第1回口頭弁論期日・集会・配信のご案内  歴史的な札幌地裁違憲判決から9か月。「結婚の自由をすべての人に」北海道訴訟のステージは札幌高等裁判所に移りました。 控訴審第1回口頭弁論期日では,控訴理由書の概要を陳述するほか,控訴人(原告)2名の意見陳述を予定しております。  口頭弁論終了後は,札幌市教育文化会館において,裁判の解説を致します。 傍聴券が当たらなかった方も,是非ご参加ください。   夜はYouTubeで報告配信を行います。同性婚を題材にしたお芝居「ひびそい」のキャストであるとびせさやかさんや,アウティングを題材にした「あいつゲイだって」の著者であるまつおかそうしさんにもコメントをいただく予定です。  第1回口頭弁論期日  2021年12月23日(木)15:00~15:30ころまで  札幌高等裁判所(中央区大通西11丁目)8階・802号法廷 地方裁判所と同じ建物です。  傍聴券配布の可能性あり   報告集会 2021年12月23日(木)16:00~17:00ころ 教育文化会館4階講堂(中央区北1条西13丁目)  内容は、林弁護士による裁判の説明 原告さんや傍聴者の感想等   報告配信 2021年12月23日(木)18:30~19:30 YouTube https://www.youtube.com/watch?v=tMjMQGvm9EI 出演は原告さんと北海道弁護団 スペシャルゲストはとびせさやかさんとまつおかそうしさん  問い合わせ先 すだふみこ法律事務所 電話011-596-6001  メールはinfo@suda-law.com

Sorry

福岡・第6回口頭弁論(2021年11月15日)

Fukuoka, 6th oral argument (November 15, 2021)

2021/11/16 9:44

「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟第6回裁判 報告

日 時:2021年11月15日(月)14時00分から

場 所:福岡地方裁判所の第101号法廷

裁判官:立川毅裁判官、橋口佳典裁判官、田中悠裁判官

・原告側は3通の書類(準備書面14~16)と裏付けとなる証拠を提出しました。

・被告(国)は、「準備書面4」1通と裏付けとなる証拠を提出しました。

・原告ミコさんが法廷でスピーチ(意見陳述)をしました。

 原告ミコさんは原告ココさんの出身国で法律婚をし、帰国し、一緒に子育てをしています。お子さんのために詳細を明かすことはできず、匿名で訴訟に参加しています。おふたりが信頼し協力し合って暮らしてきたこと、病気やけがのためにココさんが働けなくなったときの在留資格の不安などを述べ、「当事者として隠れて生きていくのではなく、たとえ匿名であっても、私達の存在を伝えることが大切」とお話をしました。

※プライバシー保護のため意見陳述書はcall4にはあがっておりません。

弁護団側からは、森あい弁護士がスピーチをしました

 19世紀末、同性愛を病理化する言説が日本に輸入されて以降、異性愛が、正常で、自然で、原則である一方、同性愛は、異常で、不自然で、変態であり、病気とされるようになりました。

 日本の著明な民法学者の中川善之助も「学問を妻とするとか、書籍を配偶者とするとかいふのが一片の比喩に過ぎなく、真の婚姻意思とは見られないのと全く同様に、同性間の婚姻といふ如きことが婚姻的法律要件として否認されなければならない」と同性カップル間の結婚に向けた意思を差別的に否定していました。

 しかし、医学的科学的知見は完全に転換しました。1992年に世界保健機構(WHO)の疾病分類(ICD-10)で同性愛は精神疾患ではなくなりました。1995年に厚労省もこれを採用しました。また、1994年、府中青年の家事件東京地裁判決でも、同性愛と異性愛はいずれも人の性的指向の一つであり人間の性のあり方として平等とされると判示され、控訴審判決も同性愛者の権利、利益を擁護することが行政の責務だと判示しました。これらは、以降の、国や自治体の行政施策の基盤となりました。

 特に、2015年以降は、飛躍的に自治体や企業で取り組みが進みます。しかし、自治体パートナーシップ制度の普及や同性婚への賛同など企業での取組みの広がりなど、社会の変化が進んでいながらも国会では法制化が進んでいません。

 そうしたことを述べ、裁判所には、同性愛を精神病とする誤った科学的医学的知見を信奉するかのように、同性婚を想定外をし続けることなく,変化を踏まえて憲法を解釈し、判断してほしいと訴えました。

(詳しい内容は、こちらをご覧ください。)

・60人以上の傍聴希望者が集まり、抽選となりました(今回は51人が当選しました)。抽選に外れた方には、弁護士会館内のホールでお待ちいただきました。

裁判所に向かう原告さんたちと弁護団員

次回予定: 

2022年2月10日(木)14時00分から(第7回口頭弁論) 福岡地方裁判所第101号法廷

原告側からさらに追加の法的な主張が記載された書面を提出する予定です。

 結婚の自由をすべての人にと書かれた横断幕を持って裁つ6人の人 色違いの服を着ている。

期日報告会

・福岡県弁護士会館2階大ホールに、60人以上の方々にお集まりいただきました。

・原告まさひろさん、原告こうすけさん、原告こうぞうさん、原告ゆうたさん、弁護団共同代表の石井弁護士、森弁護士が壇上にあがり報告をしました。

・会場からも質問や意見が次々とあがりました。

「国は、『婚姻を認める範囲は民主的プロセスに委ねるべき』とあるがどうなのか」

「政治、はやくなんとかしてほしい」

「原告ミコさんから具体的な不利益、心配事を聞いて、そうなのかなるほど思って聞いた。困りごとをよりわかりやすく伝えていきたい」 

弁護士2名と原告さん4名が壇上に座っている。原告提出書類の内容を説明するスライドが映し出されている。

【本日の裁判のくわしい内容】

原告側提出

〇原告ら第14準備書面

 外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限って国家賠償法が適用されます(国賠法6条)

 前回、被告から保証があるかを問う書面(被告第3準備書面)が提出されたので、保証があることを裏付ける証拠や主張の書面を出しました。(※プライバシー保護の関係上call4には掲載していません)

原告ら第15準備書面(社会の事実変化書面Part6)

 国会と法務大臣が立法を怠っていることを国内外の動向を紹介してさらに主張しています。地方自治体パートナーシップ制度が10月11日時点で130自治体を超えて人口カバー率が4割を超えたこと、自民党総裁選でも同性婚の法制化が争点になったことを書いています(衆院選については次回提出予定です)

原告ら第16準備書面

 同性愛に対する医学的、科学的知見はすっかり変わり、社会も変化しているので、憲法解釈もそのことを踏まえて行うべきとの主張をしています。今回の森あい弁護士による代理人意見陳述もこの書面の内容に基づき、行いました。

(昔の知見)

・同性愛は精神病として扱われていました

・日本の著明な民法学者の見解

「学問を妻とするとか、書籍を配偶者とするとかいふのが一片の比喩に過ぎなく、真の婚姻意思とは見られないのと全く同様に、同性間の婚姻といふ如きことが婚姻的法律要件として否認されなければならない」(1942年中川善之助。戦後1958年にも同様の記述あり。)

・文部省「生徒の問題行動に関する基礎資料」(1985)

「IV 性非行

 この同性愛は、アメリカなどでの市民権獲得の運動もみられるが、一般的に言って健全な異性愛の発達を阻害するおそれがあり、また社会的にも、健全な社会道徳に反し、性の秩序を乱す行為となり得るもので、現代社会にあっても是認されるものではないであろう。」

(現在の知見)

・1992年 世界保健機構(WHO)が「同性愛」の分類名を削除した国際疾病分類(ICD-10)を発刊。

 「性的指向それ自体は障害とみなされない」

・1995年 厚生省がWHOのこのICD-10を採用。日本精神神経学会も、学会としてこれを尊重することを明らかに。

 同性愛を精神病とする誤った科学的、医学的知見は、国によっても、学会によっても、完全に否定されました。そして、国、地方自治体、企業の取組み、また、人々の意識も大きく変わりました。

(結論)

 この裁判で問題となっている憲法の諸条文(13条、14条1項、24条)の解釈は、これらの変化、とりわけ、同性婚を想定外としてきた科学的、医学的根拠が完全にその正当性を失ったことを考慮してなされなければなりません。

被告(国)第4準備書面

 国は、異性婚を定め、同性婚を定めない民法及び戸籍法の規定が、憲法に違反しないとして、次の4点の理由から反論しています

①憲法24条1項が「両性」と規定しているため、本件規定は憲法24条に違反しない

②憲法13条は、同性婚という法制度の創設を国家に求める権利まで保障するものではない

③憲法24条が異性のみを対象としているため、差異が生じるのは当然で、本件規定は憲法14条に違反しない

④同性婚を認めるかどうかは立法府に広範な裁量があるため、立法措置をとっていないことは憲法14条に違反しない

「婚姻を認める範囲は民主的プロセスに委ねるべき」

「同性と結婚できないという事態は間接的な結果にすぎない」

「具体的な法制度で認められていない」

「婚姻は生殖と子の養育を目的とする制度」

「同性間の人的結合には異性間と同視しうる社会的な承認が存在しない」

→ 原告側からまた再反論します。再反論は、次回の裁判で提出予定です。


Sorry.

大阪・第10回口頭弁論(2021年10月22日)

Osaka 10th Oral Argument (Oct 22, 2021)

2021/10/23 14:01

「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟第10回期日報告

日時:2021年10月22日13時30分から16時20分

場所:大阪地方裁判所第202号法廷

裁判官:

内容:

  1. 原告側から、被告の主張に対する反論が記載された書面が提出されました。
  2. 田中さん、川田さん、川田さんの父、匿名原告(1番)、匿名原告(2番)、坂田さん、テレサさんの順で尋問を行い、それぞれのライフストーリーや同性婚実現に向けた思いを直接裁判官に語りかけてもらいました。原告全員がそれぞれの言葉で、将来の子どもたちに自分と同じような悩みを抱えてほしくない、次の世代に平等な社会を残したい、と語っていたことが印象的でした。
  3. 公開の裁判手続きの後、場所を移して、裁判官・原告代理人・被告代理人で今後の裁判の進行について非公開の協議を行いました。
  4. 訴訟の山場である尋問期日ということで、たくさんの方が傍聴に来てくださいました。傍聴券の抽選に漏れてしまった方が多数おられたようで申し訳ありませんでした。報道関係者もたくさん傍聴に来ていて、社会的関心の高さもうかがえました。

次回期日

202112271330分(第11回口頭弁論) 大阪地方裁判所第202号法廷

原告被告双方から法的な主張が記載された書面が提出される予定です。

期日報告会

裁判終了後に、大阪市中央公会堂で期日報告会を開催しました(司会は三輪弁護士)。この日は,愛知弁護団から矢崎弁護士と堀江弁護士も報告集会のサポートに来てくださいました。

最初に大畑弁護士から、今日の裁判でのやり取りの概要や協議の内容、今後の予定について報告がありました。

次に、原告から尋問について感想が述べられました。それぞれの口から、弁護士と綿密な準備をしてきたこと、数日前から緊張していたこと、限られた時間で裁判官に自分たちの抱える不安を伝えることの難しさなどが語られました。弁護団からは、どのような点を意識して尋問準備をしたのかなどについて解説が行われました。リハーサルでは意識していなかったやり取りによってアドリブ的に印象的な証言が引き出されたという裏話などを聞くことができました。

また、宮本弁護士からは原告から出した書面の概要が説明されました。

会場からは、「異議あり!とかしなかったのはなぜ?」「外国籍の原告の声を裁判所に伝えたことの意義は?」「国が同性婚をなかなか法制化しないのはなぜ?」といった質問がありました。「尋問前の宣誓で傍聴席は起立すべきだった?」という質問は弁護士がなかなか気づかない視点で,弁護団が盛り上がるといった場面もありました。

今回の尋問を受けて、裁判所が判決を書く段階に移ります。これからは弁護団が緻密な法律論を展開して、裁判所に良い判決を書いてもらえるよう頑張らなければなりません。引き続きご支援をお願いします。

Sorry

名古屋・第10回口頭弁論(2021年10月15日)

Nagoya, 10th oral argument (October 15, 2021)

2021/10/20 19:00

「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟第10回期日報告

日時:2021年10月15日10時00分

場所:名古屋地方裁判所 第1号法廷

裁判官:西村修裁判長 平野佑子裁判官 梁川将成裁判官

内容:

愛知訴訟 本日の内容 裁判所から進行の確認が、原告と被告に対してありました。 原告に対しては今後の主張予定が尋ねられました。被告に対しては、今後の主張予定や憲法24条に対する立場が尋ねられました。 被告は、次回の原告の主張を待って反論するとのことです。予定では、憲法14条1項について、札幌地裁判決への反論になります。 原告は、第8準備書面を提出しています。第8準備書面では、国の作為義務の内容、違憲性が明白になった時期を述べました。 詳細はCALL4で見てください。 主張のところの本人側、さらに名古屋から読めます。

■裁判官の交代、弁論の更新

担当裁判官のうち植村一仁裁判官が、平野佑子裁判官へ交替しました。これに伴い、これまでの口頭弁論の結果を陳述することを確認しました(弁論の更新という手続です)。

■原告第8準備書面の提出

原告らからは原告第8準備書面を提出し、弁護団の矢﨑暁子弁護士が要旨を陳述しました。

原告第8準備書面は、立法不作為の論点について、名古屋以外の訴訟において裁判所や国から質問があった事項について、予め回答をしておくものです。

まず、何が憲法違反なのか(違憲審査の対象が何か)という点について、①現行民法等の不備・制度の不存在状態が憲法違反である、または②現行民法等の婚姻に関する規定全体が憲法違反である、と明確に主張しました。

次に、国の作為義務の内容について、現行民法等の文言を法律上同性同士の者が婚姻できるように修正することだと明確にし、上の二つのいずれの場合であっても、違憲状態を解消するために国会がとるべき作為義務は同一であると主張しました。

最後に、国会において違憲性が明白になった時期について、どれだけ遅くとも2008年には、婚姻に関して性的指向に基づく権利制約が許されないことは国会にも明白であったと改めて主張しました。また、立法不作為による権利利益の侵害及びそれによる損害は、単発的あるいは一時的なものではないため、口頭弁論終結時までの社会状況の変化等のすべての事情を判断要素として違憲性を判断すべきだと指摘しました。

原告第8準備書面 【立法不作為】  1 違憲審査の対象  現行民法等の不備ないし不存在状態が憲法に違反している。  または、現行民法等の婚姻に関する諸規定全体が、同青銅製の婚姻を阻害するものとして日本国憲法に違反している。  2 作為義務の内容  上の二つのいずれであっても、その違憲状態を解消するために立法府がとるべき作為義務は同一である。 (=現行民法等の文言を法律上同性同士の者が婚姻できるように修正すること)  3 国会において違憲性が明白になった時期 ・どれだけ遅くとも2008年には、婚姻に関して性的指向に基づく権利制約が許されないことは国会にも明白であった。 ・立法不作為に寄る権利利益の侵害及びそれによる損害は、単発的あるいは一時的なものではないため、口頭弁論終結時までの社会状況の変化等の全ての事情を判断要素として、本件立法不作為の違法性を判断すべき。

■進行の確認

裁判長から、今後の主張立証の予定について尋ねられので、原告側は、憲法24条に関する学者の意見書とそれに基づく主張について書面を提出すると回答しました。また、その他の点についても、学者意見書を提出し、これまでの主張の補充をすると回答しました。これらの書面については、次回期日前の2022年1月中に提出予定です。

 他方、被告側は、次回期日での原告の主張を待って反論する予定とのことです。また、裁判所から「憲法24条をどう理解しているのかを踏まえて、憲法14条の中身を判断する必要があるから、憲法24条についての立場を主張してほしい。」と求められたところ、被告側は「検討する。」とだけ回答しました。

次回期日

2022年2月15日(火)13時30分(第11回口頭弁論) 

名古屋地方裁判所 第1号法廷

第1号法廷は、名古屋の裁判所で一番大きな法廷です。第10回口頭弁論期日でも、傍聴席が間引かれて、傍聴人同士が接近しないように配慮されていました。次回も、同様の措置がされる予定です。


期日報告会

期日と同じ日の午後7時から、弁護団の矢﨑暁子弁護士の司会により、WEBでの期日報告会が開催されました。

まず、矢﨑弁護士から、準備書面の内容や期日でのやり取りについて、詳細な報告がありました。

また、今回の期日報告では、ゲストとして、風間孝さん(NPO法人 PROUD LIFE)をお招きして、質疑応答の機会を設けました。

風間さんからは、今回の裁判期日で原告の提出した書面の訴訟上の意味や、憲法24条の意見書を次回提出する意味、東京訴訟の進行が名古屋訴訟に与える影響についてご質問いただき、議論が大いに盛り上がりました。

視聴者の方からも、国の不誠実な訴訟態度の意味や名古屋訴訟での本人尋問の予定などについての質問や、応援のメッセージが、数多く寄せられました。

次に、「裁判を取り巻く人」シリーズ第三弾として、大阪弁護団の三輪晃義弁護士と東京弁護団の佐藤樹弁護士をお招きして、なぜこの弁護団に参加しようと思ったのかについてお話いただきました。お二人とも、同性婚ができない社会への憤りや、同性婚実現に向けた想いを、熱く語ってくださいました。

その後、東京第1次訴訟での証人尋問について佐藤弁護士から、大阪訴訟の証人尋問の予定について三輪弁護士から、それぞれご報告いただきました。

報告会は、Youtubeのアーカイブ動画となっていますので、ぜひご覧ください(https://www.youtube.com/watch?v=MYfiIA7o4XY)。

また、次回以降も、期日報告会は開催いたしますので、今回参加できなかった方も、ぜひご参加ください。

Sorry.

東京・第8回口頭弁論(2021年10月11日)

Tokyo 8th Oral Argument (Oct 11, 2022)

2021/10/19 12:29

東京(1次)・第8回口頭弁論期日(尋問期日)(2021年10月11日

「結婚の自由をすべての人に」東京第1次訴訟

回口頭弁論期日(尋問期日)報告

(尋問が行われる法廷に向かう原告と弁護団)


【第8回口頭弁論期日の内容】

以下のとおり、第8回口頭弁論期日(尋問期日)が行われました。


<概要>

日 時:2021年10月11日 10時30分から16時10分

場 所:東京地方裁判所103号法廷

裁判官:池原桃子裁判長、益留龍也裁判官、岡崎真実裁判官

(民事16部乙合議B)

出 席:原告7名 原告代理人  被告代理人


1.追加提出書証の取調べ

 原告側から追加提出していた各書証(原告らの陳述書等)の取調べが行われました。

2. 本人尋問・証人尋問

 本日の期日では、原告本人らに対する尋問と、原告の家族1名の証人尋問が実施されました。

 以下、尋問のハイライトを原告の皆さんごとにまとめました。

建物の前に立つ男性たち

中程度の精度で自動的に生成された説明

(尋問前、緊張の原告たち)

(1)  小野さん

 パートナーの西川さんと共に3人の子ども達を育ててきた小野さん。男女の夫婦の家庭が子育てに奮闘するのと同じように、お二人と子どもたちとで家族としての日常を過ごしてきたことをお話いただきました。

 一方で、子ども達が小学校の間は、学校にお二人の関係をカミングアウトすることができず、家の外では家族のことをありのままに話せずにいました。小学校低学年だった子ども(小野さんの実子)が日記に西川さんのことを書いた際、学校の先生に「これは誰ですか?」とコメントされ、それ以降その子は外で西川さんのことを話さなくなったそうです。

 小野さんと西川さんは、結婚式を挙げるタイミングで、小学生だった子どもたちにカミングアウトしました。その際、お子さんが女性同士では結婚できないから法律違反になって罰せられるのではないかと心配したため、海外では同性同士で結婚できる国もあるし、日本で結婚式をしても法律違反になるわけじゃないよと話しました。

 自身が乳がんであるとわかったとき、告知や病状説明などの場面で西川さんも家族として病院に扱わってもらえるのか、自分に万一何かあったときに子どもたちのことを西川さんに任せられるのか等の様々な不安に直面し、抗がん剤治療で辛い思いをする中で、更に精神的に追い込まれてしまったことや、自治体のパートナーシップ制度だけではそういった不安は解消できないことをお話いただきました。

 日本にも子育てをしている同性カップルはたくさんいる、自分たち家族は法的保障のない中で苦労してきたけれど、同性カップルの子どもが伸び伸びと育つことができる社会になることを望みます、と最後に締め括りました。


⑵ 西川さん

 小野さんと出会い、一緒に暮らすようになったとき、小野さんには2人、西川さんには1人のお子さんがそれぞれいました。5人で家庭を築いていくなかで、西川さんは長年抱えていた孤独から解放され、自分も家族を持てたんだと幸せを感じるようになったそうです。西川さんが料理上手ということで、子どもたちに評判の野菜炒め最強エピソードをお話いただいた際は、裁判官や傍聴席の方々からも笑みがこぼれました。

 一方で、当時小野さん達とのことをなどで話すことはあまりできなかったそうです。小野さんの実子が小学校低学年の頃、家族5人で海に出かけたことを描いた絵日記には、他の家族が大きくカラフルに描かれているその横に、西川さんと西川さんの実子が小さく棒人間のように書き添えられていたそうです。家族として幸せな生活を楽しく送っているのに、自分だけでなく幼い子ども達にも、一歩外に出ると家族のことをありのままに言えなくなってしまう、そんな思いをさせてしまったことがかわいそうで、申し訳ない気持ちになったと言いました。


スーツを着ている男性と女性

中程度の精度で自動的に生成された説明

(原告の小野さん(右)と西川さん(左))

⑶ よしさん

 よしさんの尋問では、前半では、ゲイであることは誰にも知られてはいけない、自分は1人で生きていくんだと決意して誰とも交際せずにいたよしさんが、お父様の死をきっかけに生涯の伴侶を求める気持ちになり、パートナー佐藤郁夫さんと出会ったことや、2人の日常生活、結婚式のお話などが語られました。

 また後半では、佐藤さんが2021年1月に病気で亡くなった際のことをお話いただきました。倒れて緊急搬送された佐藤さんに同伴したよしさんは、病院側にパートナーであると伝えたにもかかわらず、医師に「血縁者ですか」と聞かれ、病名や病状の説明を受けることができませんでした。その後もよしさんは入院中の佐藤さんの状態を佐藤さんの妹さん経由でしか知ることができませんでした。残念ながら佐藤さんが亡くなり、一目会おうと仮安置所を訪れた際には、来場者名簿の続柄欄に「パートナー」ではなく「知人」と書かざるを得なかった時のお気持ちをお話ただきました。

 まだ佐藤さんが亡くなられた哀しみの癒えないなかで、当時の理不尽な御経験を振り返ることの負担は計り知れませんが、「この裁判に勝つまで一緒にいようね」と生前お話されていた佐藤さんの思いを無駄にしたくないというよしさんの思いは、きっと裁判官にも届いたと思います。

⑷ 小川さん

 小川さんの尋問では、自身のセクシュアリティを自覚してからの葛藤の他、大江さんとの生活の様子や、同性どうしで法律婚ができないことによる不利益についてお話しいただきました。

 法律婚ができないことによる不利益としては、4年くらい前、小川さんが体調を崩し、医師から治療のため入院をすすめられた際、入院の際に保証人として大江のことを書きたいが、パートナーであるということの説明をする気力がわかず、入院を諦めてしまったこと、昨年に大江さんの母親が亡くなった際に、職場で忌引休暇を取得できなかったこと等をお話しいただきました。

 大江さんとの生活については、大江さんは鳥を飼っていたが、小川さんは大江さんよりも綺麗好きであったため、一緒に住み始めた最初の頃は、鳥の餌などが床にこぼれるのが気になっていたが、次第に「まあこぼれていてもいいか」と思えるようになったこと等をお話しいただきました。

人, テーブル, 椅子, フロント が含まれている画像

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(原告の小川さん)

⑸ 大江さん

 大江さんの尋問では、後半に、大江さんや小川さんが運営に携わっているLOUDや、相談事業についてのお話しいただきました。

 LOUDとは、セクシャルマイノリティの方のためのコミュニティであり、これまで十数万人の人が訪れていること、多くの方が、日常を感じられる居場所を求めてLOUDを訪れること、それだけ社会の中で安心できる場所を作るのが難しいという現状についてお話しいただきました。

 また、大江さんや小川さんが、セクシャルマイノリティの相談事業等を通じて、多くの悩み相談を受けてきたこと、セクシャルマイノリティの方の悩みは、周囲の方の無理解や、異性愛者を装いながら生活することへの疲労等から、メンタルヘルスに支障が生じることが多いこと、職場での人間関係の構築がうまくいかず、経済的な困窮がもたらされることが多いこと、そのようなセクシャルマイノリティの方の悩みを解消するには、同性どうしで法律婚ができるような社会が求められること等についてお話しいただきました。

(原告の大江さん)

⑹ かつさん

 かつさんには、幼少期から男性に恋心のような気持ちを抱くようになり、「つきあう」ということへの憧れから女性ともお付き合いを試みたものの女性に興味をもつことができず短期間で交際を終えることになってしまった専門学校時代のご経験をお話していただきました。

 専門学校時代のご経験としては、同性愛が非難やゴシップとして扱われていたことなどから、自身の性的指向について知識を得ようとインターネットで検索したりする一方で、自身がゲイであるということを認められない感覚もあり葛藤を抱えておられたことについても語っていただきました。

 また、24、5歳の頃に年下の男性と交際するなかで自身のセクシュアリティを受け入れられるようになっていったこと、スマホアプリを通じて現在のパートナーであるただしさんとの出会い、交際を続けるなかで二人の関係を安定的なものにしたいと考え、生まれ育った九州を離れ、ただしさんとの東京での生活を始める決意をされるにいたったことについても語っていただきました。

 尋問の後半では、ただしさんとの同性を始めるにあたってのご家族へのカミングアウト、同棲を始めてからのただしさんとの日常、かつさんとただしさんの御両親との関係、本訴訟に原告として参加することへの御両親の反応についてもお話しいただきました。

⑺ ただしさん

 幼少期に同性に特別な感情を抱くようになってから、罪悪感に悩み、葛藤し続けたことをお話しいただきました。また、どうしてもセクシュアリティは変えられないと諦めていったときの感情についてもお話しいただきました。

 かつさんとの日常生活についてもお話しいただきました。自分と全く違うかつさんを見ていると、和んだり、安心したりするそうで、かつさんがテレビアニメを見てケラケラと笑う様子を見るとつられて笑ってしまうそうです。

 ただしさんたちは、渋谷区に住んでいた時に自治体のパートナーシップ 制度を利用しませんでした。自治体のパートナーシップ 制度はお守りのような意義はあるものの婚姻と違って法的効力がないためです。もしも婚姻と同じ法的効力を持つ国のパートナーシップ制度が作られたとしても利用しないと言い切りました。自分が欲しいものは男女カップルと同じ権利と選択肢であり、違う制度を手にしたら自分を二級市民と感じてしまうからです、と語りました。

 母親にカミングアウトした時のことについては、母親が徐々に理解を示し、かつさんとも親しくなっていった様子についてもお話しいただきました。カミングアウトすることで出来損ないと思われ母に愛されなくなることを怖れていたが、自分のセクシュアリティを一番受け入れていなかったのは自分だと気づいた出来事だったそうです。自分が男の子を好きだと気づいたとき、同性と結婚する選択肢があれば、自分のことを卑下することはなかったし、人生の選択肢を狭めることはなかったと思うとのことでした。

スーツを着た眼鏡の男性

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(原告のただしさん)

⑻ 原告のご家族

 家族から同性が好きだと打ち明けられた時、何も抵抗がなかったそうです。自分以外の家族へのカミングアウトを手伝ったこと、家族の不安や家族が原告らカップルを受け入れていく様子についてもお話いただきました。

 原告の結婚式に出席したとき、自身の結婚までの道のりがいかにスムーズであったか実感し、二人で生きていくことの意味の重さに目を開かされたとのことでした。もし、同性同士の結婚が認められていたら、自分と同じように、家族も不安なく心から祝福できたと思うそうです。

 セクシュアルマイノリティーの方々が差別や偏見に苦しみ、自死率が高いことを知り、原告がその選択をしなかったことに安堵するとともに、カミングアウトの時、もっと力になれたのではないかと後悔しているとのことでした。

(9) 反対尋問・補充尋問

 被告側からの原告に対する反対尋問は、次のような内容のものがありました。


・闘病の際に同性カップルであることで不便に感じた具体的なことは何か。

・同性のパートナーを家族と認めてもらうように準備をしたことで、具体的にどの不都合に役に立ったか。

・パートナーシップ制度を利用しただけでは解消しなかった不都合・不利益について、実際には具体的にどんなことがあったことか。

・自治体のパートナーシップ制度を利用しようと考えたことはないのか。


 なお、裁判所からの補充尋問はありませんでした。


3.被告の主張予定

 被告からは、10月22日までに「原告第19準備書面」に対する反論の書面を提出する予定であることが表明されました。


4.今後の予定

 裁判所から、今後の審理の進行予定として、以下の2つの期日が指定されました。

 ①2021年11月17日(水)14:00~ 進行協議期日(非公開の手続・傍聴不可)


 ②2022年2月9日(水)14:00~ 第9回口頭弁論期日(公開審理・傍聴可)
                  @東京地方裁判所103号法廷

【オンライン期日報告会】

尋問期日終了後、オンライン期日報告会を実施し、YouTubeで生配信いたしました。

屋内, 天井, テーブル, 男 が含まれている画像

自動的に生成された説明

(原告と弁護団が集まって会場から報告会を生配信)

日 時:2021年10月11日 18:00~

URL:https://youtu.be/XcnxMv3Dwds (アーカイブあり)

登壇者:

 原告:小野さん、西川さん、小川さん、大江さん、かつさん、ただしさん、

 原告代理人:寺原弁護士、上杉弁護士、南川弁護士、横山弁護士、松田弁護士、北條弁護士、樋田弁護士、佐藤樹弁護士(司会)


Sorry

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森あい

「結婚の自由をすべての人に」訴訟・弁護団員
当サイトの同訴訟についてのクラウドファンディング呼びかけ人

なお、現在、各弁護団が、書面の掲載、期日報告、お知らせの掲載を行っており、呼びかけ人が集約して掲載することは、2022年8月18日以降は行っていません。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟・弁護団員(2024.3.26時点。五十音順)
■北海道弁護団 8名
【札幌弁護士会】上田文雄 加藤丈晴 須田布美子 高橋友佑 綱森史泰 林拓哉 皆川洋美 本橋優子

■東京弁護団 36名(うち1名は愛知弁護団にも所属)
【東京弁護士会】安藤光里 上杉崇子 榎本一久 金子美晴 熊澤美帆 樋田早紀 佐藤真依子 清水皓貴 寺原真希子 中川重徳 永田真衣子 永野靖 半田虎生 北條友里恵 増井俊輔 松田亘平 溝田紘子 山下敏雅 油原麻帆
【第一東京弁護士会】井上皓子 宇治野壮歩 小谷磨衣 西村夏奈
【第二東京弁護士会】加藤慶二 佐藤樹 沢崎敦一 鈴木創大 仲村渠桃 三浦徹也 向井香織 横山佳枝
【千葉県弁護士会】喜田康之 南川麻由子
【神奈川県弁護士会】大﨑茉耶 藤井啓輔
【愛知県弁護士会】水谷陽子

■愛知弁護団 7名
【愛知県弁護士会】石川幸平 進藤一樹 砂原薫 堀江哲史 水谷陽子 矢崎暁子 山田麻登

■関西弁護団 7名
【大阪弁護士会】大畑泰次郎 寺野朱美 宮本庸弘 三輪晃義 森本智子 山岸克巳
【香川県弁護士会】佐藤倫子

■九州弁護団 24名
【福岡県弁護士会】安孫子健輔 石井謙一 石田光史 井上敦史 岩橋愛佳 太田千遙 太田信人 緒方枝里 久保井摂 後藤富和 武寛兼 寺井研一郎 徳原聖雨 富永悠太 仲地彩子 塙愛恵 吉野大輔 渡邉陽
【熊本県弁護士会】藤井祥子 藤木美才 森あい
【山口県弁護士会】鈴木朋絵
【鹿児島県弁護士会】永里佐和子
【釧路弁護士会】郷田真樹

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